第三回 谷中銀座商店街


左上に指がかかってしまっていたが、暗くて気付かなかった。これも夜に行くことの醍醐味である。

〇日暮里駅から徒歩数分

今回訪れた谷中銀座商店街は観光地としても有名で、普段は地元の住人(お年寄り多め)や大きなバックパックを背負った外国人観光客でにぎわっている。しかし今は夜なので歩いているのは自分を含めて数人だけだ。

ちなみにすぐ隣には大きな墓地もある。谷中銀座がお年寄りに人気なのは、お買い物から墓の下までシームレスに移動できるのが理由だろう。

麦茶の作り方を丁寧に教えてくれるお茶屋さんがあった。

愛。

おぢさん。

亀頭ヘッド教室長。

 

〇商店街の街並み

商店街の入り口は、夕焼けだんだんと呼ばれる階段になっている。ここのてっぺんから谷中銀座を見下ろすことができ、夕日が沈むころに来るととてもきれいだ。ただ、今は夜なので当然写真もない。

以前ここに来たとき、数人の警察官が何やら仕事をしており、なんとなく気にしつつ歩いていたところ、そのうちの一人が電話で話していた。何の気なしに耳に入った内容は「ここの坂でカートを押したおばあさんが転んだ」という事故があったというものだった。

電話の向こう側の相手に報告をしているので、丁寧なのは当たり前といえば当たり前なのだけど、ちょうど自分たちが通りがかったタイミングで、気になる情報をきちんと説明してくれた警官は、ご都合主義のドラマの登場人物みたいで妙な感じがした。

サラリーマンの肉が食べられるお店。そのうち行ってみようと思う。

店長の個性が溢れるトルコ料理店。とても有名だが、そういう人が苦手なので行くことはないと思う。

ビールケースコレクターの家。

選挙ポスターコレクション。なかなかのものである。


山本ごう。近所でよくポスターを見かけるのだけど、何者なのかよくわからない。


政治理念か身代金の要求が書かれているが、読み書きができないのでよくわからない。

〇店

商店街の街並み。こうしてみるとシャッター商店街に見える。実際はまっすぐ歩けないくらいの混雑も珍しくない活気のある場所にも関わらずだ。

邪悪なハンコ屋しにものぐるい。いつかここでハンコをつくるつもり。基本的にかわいいイラストのハンコばかりで、何が邪悪なのかはつくってみたらわかるのだろうか。

テレビの取材もよく来ているので、店頭に吊るされていたこれもノースリーブの誰かがきたときの記念のものだろう。

おしゃれな棒。

いつも行列ができているお総菜屋さん。コロッケが30円だったか50円だったか、とにかくとんでもなく安い。あと焼き鳥とかメンチカツも売っていたはずだ。

いつも「そんなに嫌ならやめればいいのに」と思うくらい不機嫌そうな女性が店頭で忙しそうに働いている。あの人は多分コロッケ恐怖症なんだと思う。(過剰に丁寧な接客が苦手なので、僕は好きです。)

木彫りのネコ。夜にみると本物と間違えそうになる。商店街の各所にこのネコが置かれている。あとなぜかいろんな店にパンダのぬいぐるみが置いてあるのだけど、それはネコと違って何の説明も書いてないのでちょっと不思議な感じがする。

小学生のときに「なかよし団」を結成して、そのしるしにお揃いのキーホルダーを身に着けるようなものだろうか。

つきあたりにドラッグストアがあって、商店街はおしまいだ。商店街のなかでボコボコに殴られてもすぐ治療ができる親切な配置になっている。

当然ながらほぼすべての店が営業を終了していたが、それなりに満足することができた。谷中銀座おすすめなので、昼でも夜でも生活リズムに合う方を選んで行ってみると楽しいと思う。

おしまい。


ネコもいた(写真中央のくろいの)。谷中はネコが多い。


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能登 たわし

能登 たわし

ローストビーフ丼って見た目ほどおいしくない。