オフロードカーってかっこいい。
荒野や山道を四輪駆動で障害物をものともせず駆ける姿は男のロマンだ。いや、男に限らず全人類の…ええい!森羅万象のロマンだ!
そんなオフロードカーであるが、字面をよく見てほしい。なにか別のものが潜んでやしないか。
そう、「オフロードカー」には「オフロ」が隠れているのだ。お風呂。
真夏のピークが去ったタイミングで、今まで出会うことのなかった二者がマッチングしたので見てほしい。
この記事の着地点はここです
オフロードカーとお風呂を合体させた「お風呂ードカー」である。
いや待ってくれ。おそらく誤解や勘違いがあると思うので、ちょっとこちらの言い分も聞いてほしい。言い分というか言い訳を。
■作れ!お風呂ードカー
オフロードカーとお風呂を合体させるにあたり、まずはオフロードカーとお風呂を用意する必要がある。当然だ。
まずはラジコンが届いた。
オフロードカーの代名詞であるジープのラジコンを買った。
浴槽のイメージから車体が白いやつを買ったつもりが、迷彩柄が届いてしまった。
業者め!と憤慨したが、よく考えたらこちらのほうが安かったので自分でチョイスしたような気がしてきた。うぬぅ、私め!
ミサイルのイラストが物騒
開封してみると「Jeep」ではなく「Joep」だった。ジョエプ?ぱちもんだけに語呂が悪いなーと思ったが、「Joe」で「ジョー」と読むことを思い出した。
あ、ジョープだ! 出そうでなかなか出なかったゲップが爆音で出たくらいのスッキリ感とともに、いっきにジープに近づいた。
さて、到着したとたんで悪いが、さっそくこいつを分解してお風呂を取り付ける。
ドライバーが入らない
配線が…
…つもりだったが、ある程度まで分解したところで家にあるドライバーじゃ太すぎて入らないところにネジがあったり、配線が本体にべっとり付いており、無理にはがすと線が切れて電気ビリビリになるのはごめんだという思いから断念。
できるところまで部品をはずしてスッキリ
さて、どうしたもんかなと行きつけの100均をウロウロしていると、ちょうどよさげなものが売っていたので買ってきた。
ちゃぷちゃぷベビーバス
ブリリアントドール フィーユ
お風呂に入る人も必要だろうと人形も買ってきた。
心の中で「これは娘に買い与えるものだ」と架空の娘を作り上げ、強い気持ちでレジへ向かった私に拍手を。
ぴったり
ここもぴったり!
逆さにしてもこの通り
なんと驚くべきことにジョープの運転席から荷台にかけてのスペースに浴槽がぴったり収まったのだ。
2人(ジョープと浴槽)は生まれる前からこうなる運命だったのである。ロマンチック街道一直線だ。
これで完成!と言いたいところだが、いかんせん浴槽の色がファンシーすぎる。
ジャングルを駆ければいっぱつで敵に見つかってハチの巣にされるだろう。もしくはライオンのえじきだ。
ここはジョープと同じく迷彩柄にしなければならない。
ねんどで全体を覆って
ベランダで乾かす
猛暑日なのであっというまに乾く。ナイス夏!
次は迷彩柄をつけていく。
草を食べすぎた牛みたいになった
みかんをいっぱい食べたら手が黄色くなるように、草を食べすぎた牛のような見た目になってしまった。この牛の牛乳はちょっと飲みたくないな。
毒ガエルみたいになった
見かけても絶対さわっちゃいけない生き物に変身した。強めの毒があるやつだ。
もしくはチョコミント。危険と美味しいは背中合わせなのである。
仕上げにニスを塗って完成
車体と風呂の色合いが違っているが、風呂が毒ガエルっぽいということは森林に生息していてもおかしくないということなので、むしろジョープのほうが迷彩柄として失格だと言えよう。まいったか。
乗り込んでいざ出動
■走れ!お風呂ードカー
カエルの単管バリケードが保護色になっている
オフロードを求め、自転車を15分走らせて河川敷までやってきた。もうすでに汗だくである。
川に近いほうは日陰になっているが、親子連れで賑わっているため少し離れたところでお風呂ードカーを走らせることにしよう。
ゴルフは禁止
ゴルフは禁止だが、それ以外、神様はなにも禁止なんかしていないので気兼ねなくやる。
じゃあちょっと失礼しますよ
お風呂なので浴槽に水をはる。
本来なら着衣のままの入浴はマナー違反であるが、ここで幼女のフィギュアを裸ん坊にしてしまうと私が社会的な死を迎えてしまうので「許可を得て撮影しています」ということでよろしくお願いします。
準備は整った。お風呂ードカーがオフロードを爆走する姿をその眼球に刻め!
……行け!……走れ!……どうした!……がんばれ!……ほれ!
なんということでしょう。タイヤが草に引っかかって進まないじゃありませんか。
おいおい、それでもオフロードカーか。四輪駆動の力を見せてやれよ。
と、タイヤの動きを確認したら後輪しか回っていなかった。二輪駆動じゃん。乗用車じゃん。
オフロードカーと思っていたが、実はオフロードカー風だったのだ。おそるべしジョープ。
それでもなんとか草の少ない所を選んで走らせた。
走った!かっこいい!
本物の車にひけをとらない走りっぷり。
お風呂ードカーがオフロードを駆けた決定的瞬間である。これ以上は無理だ。
■アスファルトを駆けろ
よく考えたらアスファルトだってラジコン目線で見たらけっこうデコボコしてるからオフロードって言っても過言じゃないんじゃない? え、過言? じゃあちょっと走らせてみようか? アスファルトタイヤを切りつけながら走り抜けてみようか?
事故だ!
たいへんだ、分解した!
大丈夫か!?
大惨事
大事故になってしまった。
やはり車に乗る時はシートベルトを締めなければいけないということを痛感させられるひとコマだ。
チープなスリルに身をまかせても明日におびえているのである。
いやちょっとここまでお風呂ードカーのポテンシャルを発揮しきれていない展開が続いているが、最後にいいとこを見せてかっこよく終えたい。よし、かっこいいといえばワイルドだ。ゲットワイルドだ。
車がいろんな障害物を吹っ飛ばして走っていく映像を見たことないだろうか。
youtubeでちょうどいい西部警察の動画があったので参考にしてほしい。こういうやつだ。
門を強引にこじ開けたり、八百屋に突っ込んだり。
実際にやるとえらいことになるが、ラジコンなら可能である。そう、お風呂ードカーならね。
で、なにを吹っ飛ばそうかと考えていたら家にいいものがあった。
なんでしょう?
ミンティアの空箱でしたー
なにかの役に立つかなと目的もなくぼんやり集めていたミンティアの容器だったが、ここで日の目を見ることになろうとは。
人生なにが起こるかわからないものである。
これに雄々しく突っ込んでお風呂ードカーの、そしてジョープのワイルドさを見せつけてやる。いくぞッ!
またしても大事故
うまいこと突っ込んだかに見えたが、壁を突き破ることができずコントロールを失って横転した。願っていないほうのワイルドが出てしまった。乗ってきた自転車が映ってるけど撮り直さず載せるぜ。ワイルドだろぉ〜。
ちなみに撮影は8月中旬。
真夏の太陽の下で、心の中のスギちゃんが出てしまうほど満身創痍である。はやく帰ってシャワーを浴びたい。
帰ります。さようなら
■まとめ
あー楽しかった!
なんやかんや言いながら、ひとりでの撮影と思えないほど盛り上がった。
お風呂ードカーを具現化し、オフロードを走った事実はまごうことなく令和最初の夏の思い出となった。
これがうわさに聞くプライスレスというやつじゃないか。
後日、家から歩いて1分のところにいいオフロードがあるのに気づいたこともプライスレス