2019年2月11日に開催されたイベント『ひざかけちゃーはん新年会2019』のレポートです。
●まずは全部がわかるオープニングムービーをご覧ください。
日時>2019年2月11日(月祝)13時
会場>阿佐ヶ谷ロフト
■夢と現の狭間、ひざかけちゃーはんの部
「5人かと思ってました!」
お客さんの数に圧倒された江ノ島さんの嬉しい叫びから始まったオープニング。
まずは主催の能登たわしと2名で、そもそもひざかけちゃーはんとはどんなサイトか、という説明から。
ひざかけちゃーはんを構成する3大要素。
江ノ島さんが以前運営していた読み物サイト「あんぱん」が消滅してしまったため、メンバーであった能登が新たにサイトを立ち上げたという設立の経緯を話した。
ちゃんとウケることもある。
逆襲さんがオモコロデビューしたのは、ひときわ大きな出来事だった。
今こうしてみると、なんでこんな色になっているんでしょう。
物事の加減がわからないので、第一線で活躍している本当にすごい方々をお呼びした。ありがとうございます。
メンバー4人がそれぞれ記事をゲストのお二方にプレゼンした。
プレゼンの詳細は今回いただいたアドバイスを踏まえて、各々が(年内には)記事にする予定なので公開をお待ちいただきたい。いただいたコメントとアドバイスも大事に胸に刻んで今後の活動に反映させていきたいので、ここでは記事の概要をご覧いただこう。
ちょっと変わった警察署のレビューのご紹介。
ひとつだけ挙げるとするとこちら。「たぶん住んでる」
宇野なずきさんは当日出演できなかったので、発表は能登が行った。
過去記事の紹介と新作を一本発表。個々の技能とネット記事の組み合わせはひざかけちゃーはんで増やしていきたいフォーマットだ。
今回のイベントで一番印象に残った記事はこれだろう。
「仁王立ちのイカが夢枕に立ったので、もう一度会うために水族館に行く」という衝撃的な導入から始まった。
果たして逆襲さんは仁王立ちのイカに会うことができたのか!?
最後は江ノ島さん。
情報。賢そうな導入から始まった。
つまりは「においで料理を当てるクイズ」なのだが、このプレゼンは誰も予想できない方向へ進んでいく……。
「この手はどうなってるの?」「豚の手だ!」とゲストに好評だった一枚。
■盛りだくさん!ない本の部
休憩と「その場で撮影した写真でのない本制作」の時間を挟み、後半の部へ。
ゲストはライターのたばねさん、ミステリ作家の青崎有吾さん。
モノづくりという視点や、作家としての視点など、それぞれの切り口からコメントやエピソードをお話していただいた。
後半の部は、いくつかのコーナーに分かれていたのですが、このレポートでは主にフォロワーさんからのご投稿作をご紹介。
画像はお題が5つ、自分で用意したものでも可。あとは「ない本」をつくってほしい。というだけのざっくりとルールで13作もの投稿をいただいた。本当にありがとうございます。
あのお題画像からこうなるのか、という感動がある。橋本さんの投稿作(左上)は翻訳小説風。カッコイイ壁だと思って撮った写真だが、こうしてきちんとトリミングして色味まで変えられると、本当に実在しそうな風格になる。投稿一番乗りでクオリティも高く、届いたとき本当に嬉しかった。定価5億円。
CurryHayashiさんは2作投稿してくださった。特に「星になって会いに行きます」(右上)は、睡蓮から「星」というワードを引き出したところがとても素敵。あらすじも硬派なミステリで非常に好みだった。「AIが夢を見たいと言った日」はどことなくケータイ小説を思わせる表紙だな、とあらすじに目を向けると『「ウィン……と何かの起動音」ひねくれた人間と冷静なAIの成り上がりコメディ!』SF?ファンタジー?してる!
Shimatuさんの「夏休みの宇宙人」。イラストのかわいさを前面におしだしたデザインで読んだことがあるはずがないのに、小学校の図書室で読んだような気にさせられる。この写真ではわからないが、価格が120円と非常に安く、紙の質感もどことなく古本っぽさがあったので、何か特殊な加工をされたのだろうか。
ご自身で用意した画像でつくる方が多いなか、なぜか3作品送られてきて人気の仁王立ちのイカ。
架空の絵本をつくられているどーなっつ文庫の増田さんが送ってきてくださった(同じ裁断機を使っている!)ことが嬉しかった(私はひとりじゃない!)。かわいさ・愛嬌のある制作物に憧れがあるので、このかわいいウサギも本当に羨ましい。たぶん何かウラがあるな、と思わせる作者への信頼も込みで愛くるしい。あらすじを見ると『薬物!援交!マネーロンダリング!』『元指定暴力団員』!
ナ月さんは「食人する夫」のストレートさにやられてしまった。投稿に添えられていたコメントの『写真は大型免許合宿の時に食べたなんの肉だかわからないフライです。』も最高。食べながら「人肉みたいだな」と思ってたんだと、おかしくなった。指の関節を増やしたいと思ったことはない。
おそらく油絵を元に表紙をつくっている。まさかの作品に会場が騒然となった。
「油絵!?」「能登さん負けてるじゃん」「装飾がきれい」「タイトルがいいですね」
この方は投稿フォームとは別にTwitterでのリプライでも送ってきてくださっていたので、ついリツイートしてイベント前にも紹介してしまっていた。「悪霊は灯油を飲むとひどくえずく」というタイトルがとてもいい。悪霊以外もたぶんえずく。
児童向け文庫のレーベルそっくりの見た目で仕上げてきてくれた。よく見ると枠まで青いイカになっている芸が細かい。
「かわいい」「青い鳥文庫だ!」「あとあらすじが……何?」「イカへ超越的な精神」「神秘主義」
デザインの巧みさとあらすじの不可解な魅力があわさって素晴らしいものになっている。あとで本人から聞いたところ、作者名とタイトルは回文になっているとのこと。「わからない!」「気付いて欲しかった!」「わからない!」
同じくイカでもう1作。イラストを逆さにして「うまくいかない」感じを巧みに演出。「いか」で折り曲げることで、きちんと目が行くようにする細かい心配りも行き届いている。
イカの話なのか? とあらすじを読むと、『どう考えても犯人は足が十本あることになってしまう。』証拠がどうしても矛盾してしまう形式のミステリは例がある(はず、すぐに思い出せないが)が、そこから浮かび上がる犯人像が「足が十本=イカ」って、何それ読みたい!『真相はいかに!』
おそらく一番の問題作。タイトルの「PEZ」を見て、会場の全員が「PEZ?」と首をかしげた。あらすじを読んでなんとなく思い出す、「あ、お菓子のペッツだ!」キャラクターの首が折れ曲がってそこからラムネか何かがでてくるちょっと変わったお菓子がある。そのPEZってことは……首が……?
可愛いものと不気味なものを結びつけられて、脳が悲鳴を上げている。あとこの絵、かなりベクシンスキーっぽい。「当時としては当然の成り行きで」なんてつなぎは普段からしっかり古い小説を読んでないと書けない文章なので、奇抜な発想の背景に博識さも伺わせる。
以上、素敵な作品をありがとうございました!
というわけで、今回はイベントの1部分のみレポートしました。
ご来場ありがとうございました。ご協力ありがとうございました。何度でもお礼を申し上げたい気持ちです。
今回は初のイベントで、学ぶこともいっぱいあったので、今後の何かしらの何かにイカしていきます。
またひざかけちゃーはん、およびない本で何かしらのイベントがあった際には、またぜひ足をお運びください。よろしくお願い致します。3年後で待ってるぜ!
能登 たわし
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