第四回 谷中霊園
〇こんな時間になっちゃった。
谷中墓地を訪れたのは午前4時半ごろ。本来ならもう少しまともな時間に行くつもりだったのだけど、仕事が終わり日暮里でラーメンを食べた後、むしょうに家に帰りたくなくなってしまったので漫画喫茶で『おれはキャプテン』を読んでいたのでこんな遅くになってしまった。夜というより早朝に近い時間帯だが、日の出までは夜ということでご勘弁いただきたい。
何巻まで読んだかわからなくならないように撮った写真。ちょうど16巻まで読み終えて、次は17巻だということがわかる。
日暮里駅ホーム。ちょうど始発が動き出す直前くらいの時間だ。
本来ならば霊園のような「夜に行く」ことに意味が発生してしまう場所は避けるつもりだったのだけど、谷中霊園の桜が綺麗だという話を聞いたのでこだわりを捨てていくことにした。そもそも「肝試し」になるか「散歩」になるかはこちらの心持ちしだいだ。
〇谷中霊園
駅周辺にも桜が植えられている。そろそろ見ごろと言ってもいいだろう。
なんてことのない普通の道だが、ふと顔をあげれば墓地だ。掲示等は見当たらなかったけれど、おそらく夜間の立ち入りは禁じられているだろう。外から眺めるだけにしておく。
漫画喫茶をでたころは小雨程度だった雨がどんどん強くなってきた。着ていた上着のフードを被るが気休め程度にしかならない。最近話した人は「気休め」と「箸休め」を間違えて覚えていたらしく、ずっと「箸休め程度にしかならないんですが……」と繰り返していた。箸休めになるなら立派なものである。
大きな木。
かなり墓地っぽい風景になってきた。
犬の糞と桜の花びら、地面にあればどちらも等しくゴミである。
霊園の中央あたりの道から見た景色。桜が咲いているのがわかる。昼に来ればもっと綺麗だっただろう。
墓地感が最高潮を迎える。知らない誰かが知らないどこかで亡くなったのだ。
立ち止まりすらしなかったのでぶれがひどい。
なるほど花見をするやつが出没するらしい。他人の墓で花見ができるのは、感受性があるのかないのかよくわからない。見たいものしか見えないのだろう。
交番があった。なんとなくここの勤務は「当たり」な気がするのだけどどうだろう。中に人はいなかったので聞くことはできなかった。
おじいさんが走っていく。こんな時間に墓参りとも思えない。もしかしたら夜更けに墓から出て来てその帰りなのかもしれない。
ゼルダをやっている人ならわかってくれると思うのだけど、ここ絶対コログでるよね。
空もだいぶ明るくなってきたところで谷中霊園(谷中墓地)を抜けた。
さて、ここからが本番である。
〇谷中霊園周辺の道
ちょうど霊園を抜けたところにあったお寺。門からものすごく離れたところにポストがある。たぶん門につけると取りに行かなくちゃいけないけど、ここだと母屋から直接回収できるのだろう。便利というか横着というか。
お寺と便利の組み合わせはどこかおかしさがでる。僧侶と原付。
地域の掲示板。
波留は本当に綺麗。くだらないダジャレも全然許せる。
〇住宅街の一画に突如現れた異様な空間
なにこれ?
看板によると入場は自由らしいので入ってみる。墓地ではまったく考えなかった「肝試し」という言葉が脳裏をよぎる。こわいよ。
ひとまず目に付いた犬小屋らしきものを覗いてみたら、犬の絵が飾ってあった。なにこれ、仏壇?
なにやらアートの展示らしいのだけど、俺にはアートがわからぬ。政治もわからぬ。
犬をテーマにしたアート群なのかと思ったら、奥にベッドが置いてある。濡れていたので寝ころびはしなかった。
ひもなんてどこにもないけど。
5mの婦人が使うハリガタみたいなの。これが一番こわい。
よくわからないけど、乗って遊べるものらしい。
乗りました。
〇駅へ戻る
ちょっと歩けば自宅まで行けるんだけど、雨で身体が冷えてきたので一度駅に戻ることにしました。
こんな時間でもそこそこ利用者はいる。
おしまい。
虹のうんこで飛ぶ犬。
能登 たわし
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