今週気付いたこと。

 

飽食のこの時代、数多の食べものの中で何が好きかと問われれば、光の速さでこう答えるだろう。

 

「焼きそばです」

 

それくらい好きだ。ぶっちぎりラブ、焼きそば。
ちなみに2位はカレーライスである。ライスカレーでも可。カレー味は不可。

 

誰かとそういう話をした時は決まって「どこの店がおいしい?」と聞かれる。定番のやりとりだろう。
私だって「ラーメンが好き」と言われれば「どこのラーメン屋がうまいか」と聞き返すと思う。会話のテンプレートだ。

 

だがしかしbut、けどけれどyet、そうじゃないのよ、おしゃかしゃま。
焼きそばに関しては、どこどこのやつがおいしい、あそこはいまいちではなくすべての焼きそばがおいしいのである

 

いわば焼きそば博愛主義だ。

 

もちろんお店で食べるだけでなく、スーパー、コンビニで売られている三食入りの袋麺も好きだしカップ焼きそばも等しくうまい。お祭りや海の家で食べる、たまに砂が入っていて「ジャリ」っとなる焼きそばだって最高だ。

 

うれしいことがあった日は三食入りの袋麺を買い、具材を入れて三食分すべて調理して大皿に盛る。パーティーだ。

 

仕事で疲れた日には丸いほうのUFOをふたつ作って片方の器に盛り、山盛りUFOで慰労会を行なう。

 

大量の焼きそばを目の当たりにすれば、たちまち心のミラーボールが回りだす。ダンスホールに華やかな光、とろけるよなファンキーミュージック待ったなしである。

 

さらに言えば具材にもこだわりがない。
肉とキャベツがあれば文句はないし、なんなら麺とキャベツだけでも充分焼きそばとして成立する。
そうなってくるともはや麺にソースをからめて炒めただけでもいいんじゃないかと言われそうだが、もちろんそれでも無問題である。

 

好きになった女性はすっぴんでもかわいいのと同じ理論だ

 

 

 

小学生のころ、伊賀野カバ丸の実写版映画を観に行った。主人公のカバ丸は大食いで焼きそばが大好きな忍者である。

 

悪の組織とたたかうことになり、順調に敵を倒してついにボスのいるアジトにたどりつき最終決戦となった。

 

ボスと一騎打ちの大食い対決だ。

 

ふたつの長テーブルにバイキングのように並ぶ大皿料理。両者すごい勢いでたいらげていくも、なかばでカバ丸が胃袋の限界に達してしまう。
もうだめかと思われたが、長テーブルの最後には超大盛りの焼きそばがスタンバイしていたのだ。

 

目の色が変わったカバ丸は、すべての観客の予想どおり大量の料理を完食しボスを撃破。ハッピーエンドの大団円と相成ったわけである。

もうだめだという危機的状況になっても焼きそばのためなら底力を出せる。そんなカバ丸にわかるわかると共感できるくらいのあふれる焼きそば愛を、私は持っている。

 

そんな話をしていると友人がひとこと。
「おれ、塩焼きそばが好きだな」

 

…すまん、私は塩焼きそばはそれほどでもない
さらに言えばあんかけ焼きそばとかも食べない

 

どこかで「焼きそば博愛主義」という言葉がガラガラと崩れ去った音がした。


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子どもが産まれる予定はないけど子どもの名前を考えてるし、ルンバの名前だってもう考えてある。
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