君たちは身の回りで起きているある変化に気づいているだろうか? そう、クリーニング屋が派手になっているのである。

〇クリーニング屋が派手になっている

見慣れたはずのものなのに、ふとした瞬間に変化に気づくことがある。毎日顔を会わせているはずの友人が、今までなら言うはずのないセリフを発したとき、変わっていないのが自分だけだと自覚させられるのだ。

そんな気づきが町でもあった。クリーニング屋には年に数回コートや毛布を洗うために訪れるくらいだ。そんなクリーニング屋がいつの間にか大きな変化をしていた。

 

派手になっているのである。

夜でも明るい店舗。壁一面にびっしりと書かれたメニュー。太くて虹色の文字。あまりかわいくないマスコットキャラクター。ふとしたときに「こんなんだっけ?」と思って以来、2年ほどクリーニング屋の観察を続けた。

 

さきほどの店がたまたま派手だっただけじゃないか、と思われるかもしれないので他の店も紹介しよう。

どうかしているとしか思えないくらい鮮やかな緑色の壁に、ショッキングピンクの文字が躍る。あまりかわいくないマスコットキャラクターはここでも共通だ。価格が明示されているのはわかりやすいが、一円単位まで明記してしまっているので当分は値上げも値下げもできなさそうだ。

 

 

 

 

どのお店も派手だ! クリーニング屋がどんどん派手になっている!

 

〇古い店はどうだったのか?

最近のクリーニング屋がとにかく派手なのはご覧いただいたとおりだ。

では昔のクリーニング屋はどうだったのか。検証するために出会った中でもなるべく古そうなお店を紹介しよう。大正三年創業。まさかの100年だ。100年前に業務用洗濯機があったのか電気が普及したのがたぶんそれくらいじゃなかったっけ、ととにかく古いお店だ。

そんなお店が過去にどうだったのか、検討してみよう。

 

頑張って派手にしようとしている痕跡が見てとれる。

このお店のたたずまいはもともとどのようなものだったのか、予想したのが下の画像だ。

 

 

おそらく看板はもっとシンプルなもので、のぼりもなかったに違いない。窓を覆うチラシの数々だって貼り始めたのはここ数年のことだろう。

並べてみれば一目瞭然である。

 

クリーニング屋は、どんどん派手になっている!

 

 

〇もうとまらない派手の波

このお店を見ていただきたい。

ハマチャンというかわいくない河童のキャラクターがなんともいえない味をだしている。

このお店で注目していただきたいのは右側の壁の部分だ。もう少し見やすい写真をだそう。

 

おわかりいただけたでしょうか。

そう、正面の部分はおそらく数十年まえからあまり手を入れていないのだろうが、この側面の部分は最近新たに設置されているのだ。

 

つまり、派手にしようとしている!

 

 

〇まだまだあるぞ派手の波

冒頭でも掲示したこのお店、このお店もあとから派手にしようとしているのがわかるだろうか。

 

そう、この部分である。

おそらくただの壁だった場所に大きなパネルを設置している。この数年で業界の誰かが壁は広告にも使えるという大発見をしたのだ。

 

派手は派手でも少し違ったパターンもある。最近流行りのメニューや割引を前面におしだすタイプではなく、店舗全体がリボンで巻かれているオシャレな派手さだ。

このお店はここ最近の流行とは別にもともとオシャレだった可能性が高い。

 

すでに営業を終了しているので派手かどうかはわからないが、マスコットキャラクターがかわいくない。良い。

 

 

比較的マスコットキャラクターがかわいいチェーン店。ここもそこそこ派手。たぶん今後どんどん派手になっていくと思う。ペンギンがピンクじゃなくてラメ入りピンクゴールドになればもっといい。

 

 

クリーニングのフォントがオシャレなタイプ。トマトみたいな色合いが派手。茶色と鼠色しかない町並みで、ここだけが際立っていた。クリーニング屋が増えれば町はもっと明るくなる。がんばれ。

 

 

派手とは関係ないけれど、好きな一枚。このお店はもうなくなってしまって今では普通のおうちになっている。

 

この雰囲気のイラストを窓に貼るのはかつて流行したらしく、他のお店でも残滓を発見することができた。「派手」の前には「モダン」の流行りがあったのだろうか。

 

〇おわり

今度もますます派手になるクリーニング屋を観察して愛でて行こうと思う。

 


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能登 たわし

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