東京都唯一の公園遊園地、あらかわ遊園。
前回の記事ではあらかわ遊園への道を紹介した。

実は見どころはそれだけではない。しかしジェットコースターやメリーゴーランドでもない。アトラクションよりももっと見るべきものがある。とにかく注意書きが多いのだ。この世のすべての種類の注意書きがあるのではないかと思わせられるほどの注意書きの量に圧倒されてしまった。

今回は引き続き、あらかわ遊園の魅力をご紹介したい。


〇内部に潜入あらかわ遊園

まずはこの写真を見ていただきたい。観覧車の入り口にある注意書きである。

とにかくその量が多い。開設当時からのものはおそらく右にあるオレンジの掲示板にある青枠内のものだけだろう。そこからその上の緑色の枠が追加され、さらに黄色い紙の注意書きが追加されていったのだと推測できる。

「観覧車 運行中」を入れるとこの写真内だけで7つもの注意書きが存在するのだ。見落としがちではあるが、花の中にも「お花をいじめないでね」という注意書きが隠れている。

続いてはこちらの柵だ。バッテリーカーの柵なのだが、20cmごとに「座ったり、またいだり登ったりしないでください」という注意書きが貼られている。

一部分だけでなく柵のすべての場所に貼られているので、柵の青と赤、注意書きの黄色が鮮やかで初めからそういうデザインだったと錯覚させられるくらいの量だ。

スカイサイクルの注意書きである。

スカイサイクルとはペダルを漕いでゆっくりと進む遊具だ。高所ではあるものの、ジェットコースターなどに比べるとあまり危険のない、お子様でも安心して楽しめるのんびりとしたものだ。にも関わらずこれだけの注意書きが掲示されている。

ここまでごちゃごちゃしているとむしろ重要な案内が目に入らない。「係員の指示に従ってご乗車していただくようお願いします」「ご理解ご協力のほどよろしくお願いします」「大人の方がお手本になってあげてください」安全を願う気持ち以上に、何か悲痛な叫びのようなものを感じずにはいられない。

 

〇そうなる理由もわかるイベント

実は入園ゲートでチケットを買う際にあるイベントがあった。

「そりゃ注意書きもこれだけ増えるよな」という納得感のあるもので、おそらくあれは園側の仕込みだった可能性が高い。

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見逃しがちだが、この「注意」もいらすとやの素材である。

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隣にあったこちらはわかりやすいいらすとや。

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ちょうど自分たちより前にチケットを買おうとしていたおじさんが、係員の人と何やらもめていた。発言はうろ覚えだが、やりとりの流れとしては下記のようになる。

「チケット? まとめて買った方が安いの?」「千円で十二枚つづりになりますので」「乗り放題のは?」「そちらは平日のみの販売になります(その日は日曜日)」「おう、あっちにあるじゃねえか」(乗り放題チケットの券売機に向かって歩く)「そちらは中止しております」「ああ?」「乗り放題は休日のみになります!」「あんだよ、書いてねえじゃねえか!」(書いてある)「それくらい書いとけよ!」(書いてある)


めちゃくちゃ書いてある。むしろ書きすぎでわからない。

文字にしてみるとたいしたことはないが、遊園地の入り口で声を荒らげるおじさんを見るのはかなりインパクトがあった。

そのおじさん入園したあとも至るところで遭遇し、私がのりもの券を買おうと券売機の前にいたところ、「ドン」とぶつかってきて「あんだよ」と睨みつけ、そのままのりもの券を買ったりと、とにかく大暴れであった。ちなみに券売機は角をまがったところにももうひとつあった。

このエピソードは個人的な恨みで書いている。


メリーゴーランドの注意書きが一番すごかった。

どの遊具にも「のりもの内は禁煙です」「タバコは吸わないでください」としつこく書かれているのは、つまり吸う人がいるということで、そこからいつもの「書いてねえじゃねえか」につながるのだ。

あらかわ遊園の注意書きの異常な多さには、公営遊園地としての歴史を感じさせる。

 

〇めずらしい注意書きコーナー

みっともなくも恨み節を書いてしまったので、ここからは園内で見つけた珍しい注意書きをいくつかご紹介しよう。

「ここでしか見られない!」と思うような注意書きが続々登場するぞ! 画面の前のお友達も楽しみに待っててね。

「危ないので、すわらないでね」

これだけなら普通である。川に落ちる可能性もあるし、頭を打てば無事では済まないだろう。気になったのはこの隣にあった注意書きだ。

「はがさないでね!」

すごい。なんという根本的なお願いだろうか。注意書きは剥がしてはいけない。そのことすら注意書きとして残さなければならないのか。

注意書きを剥がしてからの「書いてねえだろ」のコンボが決まると無敵になる。それを防ぐための「はがさないでね!」である。そうなるともう注意書き程度でどうにかなるような問題でもないように思える。

 

「せんろのなかにはいらないでね!」

園内は豆汽車という乗り物が走っているので、むしろあって当然の注意書きだ。

「せんろに石をおかないでね!」

こんなにポップに置き石を注意されたのは初めて。

しかし小さな子供なら、「どうなるのかな」という好奇心でやってしまうのもわかる。

ちなみにこれも後から追加されたと思われる黄色い注意書きが横に立っていた。

自分の子供がどんなイタズラをしてもニコニコと見守っているタイプの親は結構な割合で存在するので、「大人の方も見かけたら注意をお願いします」という一文が追加されるのも頷ける。

 

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「落水」って言葉、あんまり使わないよね。

 

「おねがい!」

肝心の内容を書かない注意書きがあるのはここだけではないだろうか。

もちろんすぐ横に、というか四方を囲むように「登らないでね」という注意書きが貼られているので意味はわかるのだけど、その「登らないでね」を貼らずに新しく「おねがい!」と制作したスタッフには少し落ち着いてほしい。

 

〇ふれあい!動物コーナー

園内にはふれあい広場もある。うさぎやモルモットにエサをあげることができたり、ヤギやヒツジの排泄を至近距離で見つめたり、おしっこの飛沫を浴びることだってできちゃうのだ。

最近ヤギの子供が生まれたらしく、小さくてふさふさの毛並みが可愛かった。もちろん写真も撮ったのだけど、この記事には注意書きの写真以外は貼らないので見たい人は足を運んで見てほしい。

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ふれあい広場も例にもれず大量の注意書きが掲示されていたのだが、とにかく「手洗い」に関するものが多かった。まったく同じものはあまり写真に撮っていないのだけど、動物を触ったら手を洗うように、何枚も何枚も貼られていた。全部撮っておけばよかったとちょっと後悔。

もちろん感染症や食中毒などの予防のために、手を洗うのは必要なことである。

手洗い場が「ハナジカ」の前にあることがかなり印象に残る。そういえば、手は洗ったけど、ハナジカをちゃんと見ていない気がする。

 

〇名前が紛らわしいぞ!ふれあいハウス

園内には「ふれあいハウス」という施設がある。ここも小動物などがいるのかと思いきや、動物はいっさいいない。何があるのかといえば、電車だ。

ここは電車とふれあえる施設らしい。別名を「下町都電ミニ資料館」という。別名だけ残してふれあいを名乗るのをやめた方がいいと思う。

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ボール紙などでつくられた電車の模型の展示や、Nゲージが走っていたりと小さいながらに盛りだくさん。

奥には小さなお子様がプラレールで遊べるスペースがある。そこの注意書きが一段と独特だった。

これは普通。

「おしえてください。」教育の要請。

だめ。

「山ごえはだめです」山はおそろしいからね。

おしまい。


〇おまけ(まだまだあるぞ)

そんなに見どころのないものをまとめて紹介。

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これも実はいらすとや。

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足元注意。普通だ。

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ドアは開く場合がある。

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うっすら禁止。

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電車は挟む側で挟まれる側ではないのでは。

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ちょっとだけスネ夫に似てる。

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ザ・普通。

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鳥かごの注意書き。

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鳥インフルエンザ。

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パワーポイント。

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ハトのフン。

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ノーマル禁煙。

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ギンギラ。

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登らないでね!

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ミスター禁止。

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熱中症。

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ボール遊び禁止。

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テント禁止。

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ロープに座らない。

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くさりに座らない。

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園内になった注意書きはまだまだあるのだけど、紹介しきれない。いちいちアップロードするだけで腱鞘炎になりそうだし、それほど見どころのあるものでもないのだ。

あらかわ遊園自体は普通の小さい遊園地なんだけど、注意書きが異常に多いことに気づいてからは、ものすごく魅力的に見えた。隠れミッキーを探すよりもずっと面白い。

園内にいた数時間、新しい注意書きを求めて隅々まで探したが、それでもまたすべてを見つけられた自信はない。もしかしたらまだ見ぬ注意書きが隠されているかもしれないのだ。ここから先は、君自身の目で確かめるんだ!


バイバイ。


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能登 たわし

能登 たわし

ローストビーフ丼って見た目ほどおいしくない。