今週気づいたこと。近所にある飲食店って意外といかない。
うちの近所にうどんのうまい店があるらしい。
友人の結婚式で再会した大学時代の友人が教えてくれた。「マジで、あそこ住んでるの?」「それなら近くにうまいうどん屋があるよ!」どうも彼の実家が近いらしく、周辺の事情のものすごく詳しい。いくつか良い情報を教えてもらったなかでも気になったのがうどん屋さんだ。
そんなところにうどん屋さんなんてあったっけな、と後日場所を確認しに行くと、本当に毎日のように通っている道にそのうどん屋はあった。これまでまったく目に入っていなかったのだ。
目に入っていなかった理由は簡単。ボロいから。
営業しているのかしていないのかもわからないたたずまいだったために、勝手に脳が「やってない」と仕分けしてしまっていた。調べてみると実際に営業時間はかなり短いらしい。逆にいえば長い時間店を開けていなくても経営が成り立つくらい人気があるということで、大学の友人が「あそこなら」と真っ先に挙げたのにも頷ける。
さて、店の場所はわかった。あとはいつ行くかだ。
たまに他人に話して「そんなことないでしょ」と否定されるのだけど、家の近所の飲食店に行く機会ってまずない。だって家に帰って食べれば済むのだから。
どんなに安くても外食をすればだいたい500円くらいはかかる。500円もあれば200円で肉、200円で野菜、のこりの100円で調味料を買えばそこそこ満足できる肉野菜炒めが3食分はつくれる。手間の問題もあるが、つくるのが面倒なときは卵を混ぜた納豆を白米のうえにのせればそれで1食は済ませられる。だいたい150円くらいだろうか。
あとは家の近くに友人がきたときに食べに行くパターンだが、引っ越してからはそれもない。都心から少し離れているのでわざわざ誰かがうちに来る機会もなくなってしまった。
そんなこんなで数ヶ月、店の前を通る度に思う。
「あそこうまいらしいな」
うちの近所には俺の「うまいらしいな」という感情だけがずっと漂っている一角がある。思念が実態を持つならば、そろそろうどんの形をした何かが徘徊を始める頃合いだ。
家の近所にあるおいしいらしい店。
いったいいついけばいいんだ。
能登 たわし
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