どきどき☆政治アプリ探訪、第2回にして早々に記事として成立させにくいアプリを選んでしまった。
その名も「スーパーヒラリー・クリントンより強力な連携」。そう、強引な日本語の当てられた、外国人製アプリである。
豊富な政治経験を持ちながらも、アメリカ大統領選挙でトランプ氏に敗北した、あのヒラリー・クリントン氏。大統領選挙の投票日は2016年11月8日だったのだが、そのわずか4日前、アプリになって活躍を始めていたのだ。
アプリストアでの説明を引用する。
完全に理解できたので、プレイしてみよう。
「Hillary Clinton ESCAPING」。原題だ。
これのどこかをどうにかして間違えると、「スーパーヒラリー・クリントンより強力な連携」となる。何が起こったのだ。
かなりシンプルな見た目だが、この画面だけ見ればちゃんとしたゲームアプリのように見える。操作説明を読める項目が見当たらないのが気になるが、おそらく操作は直感的に行えるシンプルなものなのだろう。「習うより慣れろ」という言葉もある。臆することなくプレイをスタートだ。
…?
最初は何が起こったのかわからなかった。
スタートした直後、何かが落ちて、終了した。この瞬間、「アプリ選定を失敗したのではないか?」という、嫌な予感で頭が埋め尽くされた。どうなる、ひざかけちゃーはん。どうなる、どきどき☆政治アプリ探訪。
なにぶん一瞬のことなので、スクリーンショットが撮りにくい。とにかくやりづらい。ゲームプレイも、記事執筆も。不安を抱えながら続行しよう。
数回チャレンジして、ようやくスクリーンショットが撮影できた。ヒラリー氏の登場だ。小さい。顔だけで軌道を描き、自動的に一定の速度で進むヒラリー氏。豊富な政治経験の賜物だろう。小さいが。
別画面での超拡大図。ヒラリー氏の顔になっているのがわかる。
…ヒラリー氏の顔なのか? 偽マリリン・モンローのようだ。
先程の画面上部の「0」はスコア表示なのだが、進んだ距離で加算されるわけではなく、コース上にある木のような木でないようなものを取ると1ポイント加算される。いくら進んだとしても、木のような木でないようなものを取らない限り、スコアにはならない。木のような木でないようなものについては何ら説明がないが、ネイティブアメリカンならわかるのかもしれない。
これはヒラリー氏の破片である。
落下でもアウトだが、ジャンプのタイミングを失敗して壁に激突してもアウト。ヒラリー氏は木っ端微塵になる。選挙戦に敗北しても、こうはならなかったのに。
そしてこのジャンプが非常に厄介だ。一定の高さにしか跳べないのである。
一定の速度で移動し、一定の高さでジャンプすることしかできないヒラリー氏。「小さくジャンプして手前の足場に着地して…」などという器用なことは一切不可能。足場の大きさによっては、跳び越えて落下してしまう。ストレスフルだ。
そんな不便なジャンプで、こんなにも小さな足場に乗らなくてはいけない。もちろん、乗ってすぐまたジャンプする必要がある。かなり厳しい。この厳しさ、まるで大統領選挙だ。
足場となるブロックの中には、乗ると落ちるものや、乗る前に落ちるものがある。見た目では全くわからない。見えるものだけを信じてはいけないのだ。大統領選挙の世論調査を彷彿とさせる。
そして無料アプリではお馴染み、広告まみれ。これは仕方のないことだ。収益は大事だ。
ここまであえて触れずに来たが、3回ほどアウトになるたびに、こういった全画面広告が始まる。このゲームは即スタートで即アウトを繰り返す構造のため、とにかく広告が頻繁に表示される。広告を見ている時間のほうが長くなる可能性すらある。
結果発表画面だ(先程の顔はこれを拡大した)。木のような木でないようなものの獲得数が表示される。何度もプレイしていれば、偶然の産物として記録が伸びることもなくはないようだ。自分で努力して好記録を出したという実感は全く得られない。「ジャンプを連打したら偶然いい感じになった」以上のことが特にないのだ。
…いかがだっただろうか。私は苦行であった。この記事ひとつ書くために、広告を何度見せられたことかわからない。主人公がヒラリー氏である必要性も、結局は全くと言っていいほど、なかった。苦痛を味わいたい人は、ぜひプレイしていただきたい。
このアプリはヒラリー陣営へのネガティブキャンペーンだったのではないか?
※本記事は当該アプリおよびアプリ内の広告の安全性を保証するものではありません。
アプリのご利用は自己判断・自己責任にてお願いいたします。
また、本記事は特定の政治的主張・信条を支援あるいは批判するものではありません。
又来シュウ
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